2017年1月18日水曜日

フィルタ回路の基本

フィルタ回路は、例えば5Hz以下の信号だけ通す、とか5V以下の電圧だけ通す、とかそういう働きをする回路です。普通は周波数のフィルタのことを言います。

コンデンサに流れる電流は
I = jωCV
であり、直流は周波数が0 Hzの交流とも言えるので、ω = 2πf
から、コンデンサは直流電流を通さないことがわかる。コンデンサの場合、容量や電圧が一定ならば、電流の通りやすさは角周波数に比例する。また、コンデンサに電圧がかかれば電荷がたまり、コンデンサの電圧も上がる。

コイルにかかる電圧は
V = jωLI
であり、コイルの場合、インダクタンスや電流が一定なら、電圧のかかりやすさは角周波数に比例する。
コイルは直流ではただ導線を巻いただけなので、巻線の抵抗分が残り、コイルとしては働かない。
例えば5V 一定で、100Hz と200Hzの角周波数の入力をすると、電流は100Hzの入力の時の方がよく流れる。これも一種のフィルターである。高周波の信号ほどコイルに引っかかるという。

共振回路とは、ある周波数の信号がとてもよく通ったり、全く通らなかったりするような回路である。
共振回路はコイルとコンデンサを用いて設計できる。高周波ほどよく通すコンデンサと、低周波ほどよく通すコイルをうまい具合に調整して、例えば、
100Hz以上を通さないコイルと
90Hz以下を通さないコンデンサを使って、
90から100Hzまでを通す回路ができる。
89Hzの信号はコンデンサにカットされて、101Hzの信号はコイルにカットされます。

空間にはとてもたくさんの周波数(成分)を持つ信号がうじゃうじゃしてます。目的の信号もうじゃうじゃした中にあるのですから、フィルタ回路である周波数の信号を取り出したいです。このようにある特定の周波数を選ぶ回路を同調回路と言います。

外の高いところにアンテナを張って、それを家の中の同調回路に取り込んで、検波して増幅してラジオが聞けます。

HPF: High Pass Filter
はコンデンサのことで、高周波をパス、よく通します。

LPF: Low Pass Filter
はコイルのことで、低周波をパスします。

(もっといろいろな回路があるが)

BPF: Band Pass Filterといって、ある周波数からある周波数までのバンドをよく通したりするものもあります。
 
空間には、1000 kHz のAMラジオの電波から、80 MHz のFMラジオの電波、2.4 や5 GHz のネット回線用の電波やアマチュアバンド用や簡易無線、行政無線などの業務無線が飛び交っています。アンテナを張ると、だいたいの電波を受信します。しかし、聞くのはいつもひとつだけです。受信したい周波数以外の信号は、ノイズということになります。もちろん、聞きたい周波数の信号に混ざった雑音もノイズといいます。ノイズ対策は大切です。フィルタなどを使って除去します。

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